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まごれびゅ

 
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 チャン・イーモウ『HERO』 (2002 中) ★★☆


チャン・イーモウをいつまでも『紅いコーリャン』や『初恋のきた道』のチャン・イーモウとして見続けるのもよくないのかもしれないけど、あのチャン・イーモウが撮らなくても、この『HERO』はできたんじゃないかと思ってしまう。
確かに一大スペクタル巨篇というのはわかる。冒頭の馬が疾駆するシーンの美しさといったら、黒澤にも匹敵するくらい。ただねぇ、こと中国となると、それも群衆がそろって雄叫びをあげると、どうしてもナンパォー!のイメージがボクには想起させられてしまって生理的に拒否反応を起こしてしまう。つい最近(2004/7)にもそういういやな事件がありましたでしょ-_-; 
それともうひとつ拒否反応を起こしてしまうのは過度のCG。いや、ほんとみんな『マトリックス』の類、好きなんだねぇ。これはほんとボク個人的な好みで申し訳ないけど、あり得ないことを見せるのも映画の面白さかもしれないけれど、殺陣のシーンがすべてあれじゃね、鼻白んでしまうの。『七人の侍』なんて、CGなんてない時代にあれだけの迫力なのに、ことCG処理できるとなると、それに頼り切ってしまうのが悲しい。チャン・イーモウ、お前もか!って心境だね。
なんかけちょんけちょんに言うとりますが、でもな、個々のシーンを取り上げると、例えば、秦の国王(チェン・ダオミン)と残剣(トニー・レオン)の一騎打ちのシーンなんて最高なんだけど、ところが、そこにたどりつくまでに食傷気味になってしまってる。カラーを意識して見てる分にはすごくおもしろいんだけどね。それとドイルのカメラにしても、『恋する惑星』のころのような猥雑感が影を潜めてしまって、ただ美しいってだけになってる。これじゃ『ザ・セル』とかわりないじゃんか。
しっかり盛りだくさんでどれもこれもが中途半端って印象。

HERO
英雄
監督 チャン・イーモウ
アクション監督 チン・シウトン
製作 ビル・コン
脚本 リー・フェン / チャン・イーモウ
撮影 クリストファー・ドイル
衣装 ワダエミ
音楽 タン・ドゥン
出演 ジェット・リー / トニー・レオン / マギー・チャン / チャン・ツィイー / ドニー・イェン / チェン・ダオミン

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2004年08月25日(水)
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