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 チャン・ユアン『東宮西宮(インペリアル・パレス)』 (1997 中) ★★


をっとぉー、「東宮西宮」ってのは宮殿の東西に位置するトイレのことらしいが、「ゲイのコミュニティー」を意味する隠語だってね。そんなん知りませぇ〜んでした(>_<) というわけで、思いきりゲイ映画であります。さすがにその趣味ないです。と、言いながら、デレク・ジャーマンは大好きだし...困ったもんだワ
でもな、日本のゲイ映画ってのはいかにもいかにもって類の男子がきりっと現れて、というわけだが、この『東宮西宮』や『ブエノスアイレス』にしたって、またフランスあたりのゲイ映画の男って、ちゃうもんねぇ。いかにもって類の男子ではなくて普通の男がゲイやっちゃうんだから、それならちょっとはまってもいいかぁ…をい。
ある宮殿前の公園がゲイのたまり場になっていて、そこにある交番ではゲイ狩りに忙しい。なんか、ゲイを犯罪視して摘発してしまうところが中国っぽかったりする。どうもつい最近のサッカーのアジアカップの中国のあり様が頭に残ってんですが。
そこで摘発されたゲイの作家であるアラン(シー・ハン)と、彼を摘発してきた警官(フー・シュン)が、その取り調べの一晩のうちに警官がゲイ世界に引き込まれて行く。と、これだけの映画で時間の経過としてはほんの反日、をっと半日だけ。これにアランの回想がはさまって、といってもどうしてゲイになったのかという説明じゃない。そういう説明が必要なのはゲイの対岸に立って見ているからで、ニュートラルな立場から見ると、どうでもいいこと。たまたまゲイであったというだけ。
それはそれとして、逮捕してきた人間をしゃがませるというのは現代の中国でもそうなんかねぇ。ひどく前近代的にしか見えないんだが。まるで阿Qの時代のような。ゲイに対する警官、あるいは体制側をよりカリカチュアして描いているとしか思えないんだがね。そう思いながらも、やっぱりこないだのアジアカップの一件が頭にあって、現実は今でもこんなものなのかと暗い気持ちになってしまう。
監督のチャン・ユアンが体制に対して問題を突きつけているようだけれど(中国では上映禁止)、それでもなんだか見ていて気持ち良くなれるような映画ではなかったね。

東宮西宮
監督 チャン・ユアン
製作 クリストファー・ユン
脚本 チャン・ユアン / ワン・シアボ
撮影 チャン・ジアン
音楽 チャン・ミン
出演 シー・ハン / フー・シュン


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2004年08月15日(日)
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