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 イザベル・コヘット『死ぬまでにしたい10のこと』 (2003 カナダ, スペイン) ★★

 あなた余命は"2 months, maybe 3months" と言われたら、どうするかって。


 あ〜、間違えた、間違えた。ペドロ・アルモドバルでしょ、この映画見ながら、ずっとゑっ、これがアルモドバルの映画?いつひねってくれるん? ゑっ?どうしたの、これじゃあ、あまりにストレートすぎやしません?って。うううう、って、ああ、監督はアルモドバルじゃなかったのだ。
 アルモドバルは単なるプロデューサー、製作総指揮って何なんすか?して、監督、おまけに脚本までやってのけたのは、イザベル・コヘット。この人、アルモドバルに見いだされてというらしいんだけれど、言うなれば、アルモドバルの舎弟ってとこなのか。でもアルモドバルじゃない。どこかにちょっとずつ、アルモドバルの影は見えてもそうじゃない。結構、ボク的には落胆が大きいし、監督がアルモドバルじゃなかったことがわかって、ホッとしたような、納得してしまったような。しかしですね、公開のコピーには《彼女は23歳。あと2ヵ月の命。初めて「生きる」と決めた》なんだから、このコピー見て知ってたら、ずえええええったいに、わざわざレイトショーにまで足を運ばなかった。ちらっと見ただけで、うわ、アルモドバルの新しいのだ、だけで見に行ったんだから、大ドヂ(-.-;)


 あのですねぇ、確かにつまらん映画じゃないけれど、こういうテーマ、つまり《彼女は23歳。あと2ヵ月の命。初めて「生きる」と決めた》なんてのを大上段に振りかざされるのってボクにとってはもっともイヤなテーマなんですよねぇ。背中に毛虫23匹乗せられたような。これは人がなんと言おうが、イヤなんです。それでもアルモドバル+『死ぬまでにしたい10のこと』と来たら、そんな23のような若い女を死なせたりしないでしょう。死なせるのなら、『オール・アバウト・マイ・マザー』でしょ。オカンのデボラ・ハリーが死ぬっていうのなら、どんなに楽しい・・・・をっと、これは不謹慎でした(^^;)いや、そうじゃなくて・・・・・
 あたしねぇ、この際だから言わせてもらうけれどね、バカ亭主、しょーむないことやらかして、ムショにぶちこまれやがって、そっからよ、あたしの人生狂いだしたの。ほんま、あのバカのおかげで、人生台なしよ。揚げ句のはてにゃ、バカ娘ときたら、ニルヴァーナのライブに行って、どこの馬の骨とも知らん、なになに、ラスト・コンサートだったから、大泣きしてたら、これで涙ふけよってTシャツ脱いで貸してくれたって、あんた、バカだねぇ、それが男の手口じゃないの、そんな男くわえ込んで、16でガキまでつくって、あたしゃ40にしてお婆ちゃんってかい、ったくぅ。あたしの人生なんてね、文句垂れるばかりで、何がおもろいんやら、唯一の楽しみっていったらジョン・クロフォードぐらいで、いったい何があたしの人生に起ったの? それで気がついたら、もう50をとっくに越えてしまって、はっと気がついたら、もうあとは死ぬだけじゃないの。こんなので、あたしの人生、終わらせたくな〜〜いンンン、あたし決めたからね、死ぬまでにしたいこと10、決めたからね。でぇ〜〜〜ったいに若いつばめつかまえて、そうね、大雨の中で、ぶちゅーってチューしちゃったり、そそ、そのためには髪の毛もブレード編んじゃってさぁ、びんびんの付け爪つけて、ネールアートなんかもしちゃってさぁ、ブロッサム・デアリ−なんか、あたしって趣味いいっしょ、おほほほほ、83歳の婆ちゃんだけどさぁ、あたしより20歳も上よぉ、でも可愛い声しちゃってさぁ、そんなデアリ−かかってるクルマんでさぁびやぁ〜〜っと走っちゃってよ、しっぽりきちゃうんだからぁ、一発やっちゃお...うふっ。そうね、瘋癲婆ぁなんて言われたら、もうサイコーっ! ねぇ、ジノ・バネリってどう?

MY LIFE WITHOUT ME
監督・脚本 イザベル・コヘット
製作 エステル・ガルシア / ゴードン・マクレナン / アウグスティン・アルモドバル / ペドロ・アルモドバル / オグデン・ギャヴァンスキー
撮影 ジャン=クロード・ラリュー
出演 サラ・ポーリー / スコット・スピードマン / デボラ・ハリー / マーク・ラファロ / レオノール・ワトリング / アマンダ・プラマー / ジュリアン・リッチングス / マリア・デ・メディロス / アルフレッド・モリナ



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ひとつ前 ベルナルド・ベルトルッチ『ラストタンゴ・イン・パリ』 (1972 仏, 伊) ★★★★



2003年11月26日(水)
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