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 トッド・フィールド『イン・ザ・ベッドルーム』 (2001 米) ★☆

 『IN THE BEDROOM』なんてタイトルつけないでください。タイトルにそそられて見てしまったではないか。見始めて10分ほどで飽き飽き
 メイン州の平和な漁村の医者マット(トム・ウィルキンソン)と先生?ルース(シシー・スペイセク)はごくごくアメリカ中流上の平和な家庭。その設定にまずうんざりげんなり。そこんところの一人息子お坊ちゃまフランク(ニック・スタール)はどっかの大学の建築学科らしいが、積み木遊びだ(笑) そのお坊ちゃま、大学にうんざりしたのか、家に戻ってきて、じいさんが漁師だったのか、漁師のバイトを始める。一向に大学に戻る気が無くて、それもそのはずで、その間に女ができた。それも2人の子持ちで暴力的な旦那と別居中の女ナタリー(マリサ・トメイ)。
 最初のシーンはそのお坊ちゃまとナタリーの草原でのディープキスシーンから、をっ、これはIN THE BEDROOMでねっちょんぐちょぐちょかとおもわせぶりっ子。ごくごく平和だ、幸福だということを描きたかっただけだね、ちっ。ごくごく平和・幸福の決まりでホームパーティー=バーベキューってね、あまりに文法通りにあきれ返る。そしてそのパーティーの場に、別居中のナタリーの旦那リチャード(ウィリアム・メイポーザー)現る。この人の顔って、いかにも成り上がりヤンキーっぽくていやだ。もっとも嫌なタイプの顔。まぁそういう役柄ですから。こいつがいなければ、平和・幸福のまま突っ走ってしまうところ。
 なんですかね、アメリカが抱えている病巣を見せつけられているようで、その病巣の原因は家族をもう一度見つめ直さなければ、なんていうアメリカ版PHPなんでしょうか。そうした良識をふりかざれてもおもろないっちゅうねん!
 んで、そのリチャードによって、お坊ちゃまフランクが射殺されることで、平和・幸福から、一挙に転回してしまうんだけれど、ああ、ここでも文法通りの法廷シーンだっか。もう見飽きたって。これって必須アイテムなんすか? まぁアメリカってところは何でもかんでも裁判にするのが好きな国だからして。でもその法廷シーンだって、必須アイテムだから入れておかないとという程度でたいしたことなかったなぁ。もうこのあたりでさすがに見るのやめたろかと。なんせここらあたりまで、シーンの切り替えが多くて、それもダイジェスト版のようで、そうそうシーンが変わるたびに芝居の暗転のように真っ暗にするのも気になったぞ。手法としてありゃ変だワ。
 結局ね、ボクって人間はケチだから最後まで見てしまったんだけど(笑)、ここからあとのほうがもう少しは持ち直したかな。それはゴールデングローブ賞のシシー・スペイセクによるところ(この夫婦役そろってアカデミーの主演男優・女優賞にノミネートされたんだってよ、ノミネートされたってうるさいんだよっ!)が非常に大きくて、この二人を中心に描かれているから。その演技に惹きつけられて最後まで見る破目になったんだけれど、はたしてこういう話を映画にする必要はあるのだろうかと、例えば宅間にやられた池田の小学生の家族が、これを見ることがあるんだろうか、という疑問が見てる間、ずっとしてた。
 一瞬映し出されるお坊ちゃまフランクの射殺された顔面、そのシーンだけが妙に浮いてるよな。

IN THE BEDROOM
監督 トッド・フィールド
製作 グレアム・リーダー / ロス・カッツ / トッド・フィールド
原作 アンドレ・デュバス
脚本 ロバート・フェスティンガー / トッド・フィールド
撮影 アントニオ・カルヴァッシュ
音楽 トーマス・ニューマン
出演 トム・ウィルキンソン / シシー・スペイセク / ニック・スタール / マリサ・トメイ / ウィリアム・メイポーザー / ウィリアム・ワイズ / セリア・ウェストン / カレン・アレン

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2003年10月05日(日)
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