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■ ▼ リチャード・レスター『ナック』 (1965 英)
『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』、『HELP!四人はアイドル』とたて続けに、ビートルズ主演の映画で話題となって、さらにつづくこの『ナック』ではカンヌでグランプリまでとってしまった。当時、カンヌなんて、少なくともボクのまわりじゃ別に騒いでたわけじゃないけれど、とにかく『ヤァ!ヤァ!ヤァ!』『HELP!』の監督とうのですごく話題になっていた。 絶妙の軽さ、このタッチがなんともサイコーなんだよね。それから数年後、日本でもテレビで放映されたBBCのテレビ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』のプロトタイプのような、というか、イギリスにはこういうシュールであぶない乗りの素地があったんだよな。 ナック ― どこかのサイトのオーナーのような(笑) 実は「ナック」という名前は、この映画からとったんだと思ってた。そうではなくて、彼は「Nack」で、こちらは「Knack」 ― 「巧みなわざ, こつ」という意味、つまり「And How To Get It」 ― 「女をゲットするこつ」という意味。 ナックのような女をゲットできないさえない小学校教師 ― ここでナックを知ってる人間は(爆)ってるでしょ・・・ぎゃははは ― コリン(マイケル・クロフォード)に対して、年がら年中女をとっかえひっかえ部屋に連れ込むトーレン(レイ・ブルックス)に、How To Get Itを教えてもらう。そこに変コツ=トム(ドネル・ドネリー)を入って、まさに「お笑い3人組」ができあがるというのは、きっちりコメディーの必勝パターン。そこに田舎からロンドンに出てきたナンシー(リタ・トゥシンハム)の紅一点が加わるのもコメディーの典型的パターンなのであります。まさにコメディーの王道でしょ。 元ネタは何かわからないけれど、何かのパロディーだったり、ダジャレのオンパレード。例えば、コリンが「オレの椅子(My chair)どこへやった?」と騒ぐと、唐突に関係ない女が顔を出して「わたしの髪(My hair)?」と叫ぶ。これなんかはわかったけれど、英語がバリバリに聞き取れたらもっとおもしろいんだろうな。こういう言い回しをぼんぼんつないでいくのはジョイスの伝統なんでしょか。 パロディーの元ネタがわからなくても、英語のダジャレがわからなくても、シュールでポップな笑いが連続してスノッブな満足感みたいなのにね、満たされてしまう。まさに、あ・ぶ・な・い ポップということではジョン・バリーの音。これもふわんふわん、のんべんだりーって気持ちよくて、なんでもいまだにこの音源を捜してる人がおるらしいよ。 そぉれから、ロンドンの町の中のロケが多くて、それがまた町狂いのボクにとってはたまらなくて、そのあたりはヌーベルヴァーグの影響大。トムによって壁だけでなく天井から床まで真っ白に塗りこめられた部屋のシーンもヌーベルヴァーグだよな。そういう時代だったんです。 ところでジェーン・バーキン、シャーロット・ランプリング、ジャクリーン・ビセットがそろってこの映画でデビューしてる。Jバーキンはトーレンのバイクの後ろで颯爽と、Sランプリングは、あら、けっこうぽっちゃりしてたのだ、水上スキーのお姉ちゃん。Jビゼットはどうも階段に並ぶ女の子の中にいるらしいけれどわからなかった。
The Knack...And How To Get It 監督 リチャード・レスター 製作 オスカー・レヴェンスティン 脚本 チャールズ・ウッド 撮影 デヴィッド・ワトキンn 音楽 ジョン・バリー 出演 マイケル・クロフォード / リタ・トゥシンハム / ドネル・ドネリー / レイ・ブルックス / ジェーン・バーキン / ジャクリーン・ビセット / シャーロット・ランプリング
★★★★★
2003年03月19日(水)
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