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■ ▼ フランソワ・オゾン『8人の女たち』 (2002 仏)
 フランソワ・オゾンはつい最近に『焼け石に水』を見ただけで、アレはちょいとウゲゲゲとなる度数がかなり高くて困りモンだったんだけど(悪くはないんだよ)、この『8人の女たち』のほうは女ばっかり8人出てくるだけだから安心してられました◎ しっかしこの女8人の顔ぶれがすごいな。怪物、あ、いや、ごめんごめんご、どえらい貫録だわ。もうドヌーブの貫録ったら、「マダムぅぅぅ」ですね。ドヌーブ以上の貫録が婆ちゃん役のダニエル・ダリュー。85歳だもん。さすがのドヌーブでさえ一歩も二歩も退いてしまうってところちゃう。ドヌーブはボクとしてはいまだに『昼顔』のドヌーブをひきずってるからなぁ。まさにマダムマダムの体型は勘狂うてしまうんよね。それでもドヌーブを中心にがしっと作ってしまえるのはさすがドヌーブなんですね。 ドヌーブの妹役のイザベル・ユペールがまぁすごい弾けよう(『細腕繁盛期』富士真奈美だな(笑) って、この説明でわかる人は年食ってると思いしれ)で、さらには「ごへんし〜〜〜んっ!」コーナーなんてのもあって、(「ごへんし〜〜〜んっ!」 これは関西の40代以上にしか通じひんか)このお色直しは一瞬唖然としてしまいます。絶対の見モノだね。そのイザベル・ユペールに負けじと弾けるのがファニー・アルダン。美形おかまバーのママですね。『隣の女』なんだからさ、あやしい… ボク的にはもうエマニュエル・ベアールおいてないわけで、メイド役(ブニュエルの『小間使いの日記』からのパクリ)から正体をあらわして、メイド風に上げていた髪をおろしたのってもうたまんない。 ちなみに8人の女の年齢をば ダニエル・ダリュー 85歳 カトリーヌ・ドヌーヴ 59歳 ファニー・アルダン 53歳 イザベル・ユペール 47歳 エマニュエル・ベアール 37歳 ヴィルジニー・ルドワイヤン 26歳 リュディヴィーヌ・サニエ 23歳 フィルミーヌ・リシャール ? な、怖いだろ。ボク、おしっこちびりそう。特に上の5人。一人の男をこういう女ばっかりに囲まれている男が一人。この男、とうとう最後まで顔は、あ、ちらっとだけ見えたか、こういう生活をしてると、ああいうふうにもなるわいなぁ。話が進むとどんどんこの男との、そしてこの女8人のコミュニティー、いやコロニーだ。この怪物女たちが、丁々発止と火花を散らし、そのコロニーのくんずほぐれつぐっちょんちょんに絡まりまくった関係がこれでもか、これでもかという具合に出てくる。いちいちそれをまともに追いかけると疲れるだけですよぉー。ほいほい、でいいの。話のどったらこったらなんてのはどうでもよくなってしまいます(笑) ほんとこの女どもに囲まれてスタッフの皆さまご苦労様でした。ボクだったらこわくて1日で逃げ出してスタコラサッサ(((((((((((((;・ ・) でね、早い話が「一家の主を殺したのは誰…?」なんていうアガサ・クリスティーばりのミステリーなんてのは、落語で言うたら「つかみ」にあたる部分で、話の整合性なんかはどうでもいい。まともに犯人は誰?なんて考えてたらアフォですね、途中で勘がよければわかってしまいますが。ずばり、これは女どもを見る映画。そう思うと120%楽しめるよな。こういう映画があってもよい、いや、なかったらアカン。 ひとつ前の『まぼろし』(2001)は見てないけど、『焼け石に水』のラインがばっちり踏襲されている。置き直しただけというてもいいくらい。雪に閉じ込められた屋敷の中だけで外には出ていかないし、ほんとコロニー内の密室劇ね。そして『焼け石に水』で受けまくった4人のへたうま歌と踊りが、今回は暴アップ。ファニー・アルダンのパートなどはかっこいいことこの上なしよ。往年の歌謡映画を彷彿とさせてくれますね(^v^)ニマ 最後はシャンシャンシャンの大団円よろしく。
8 FEMMES 製作 オリヴィエ・デルボスク / マルク・ミソニエ 監督 フランソワ・オゾン 原作 ロベール・トーマ 脚本 フランソワ・オゾン / マリナ・ドゥ・ヴァン 撮影 ジャンヌ・ラポワリー 音楽 クリシュナ・レビ 出演 ダニエル・ダリュー / カトリーヌ・ドヌーヴ / イザベル・ユペール / ファニー・アルダン / ヴィルジニー・ルドワイヤン / リュディヴィーヌ・サニエ / フィルミーヌ・リシャール / エマニュエル・ベアール
★★★★☆
2003年01月21日(火)
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