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 ▼ マルコ・ベロッキオ『新 肉体の悪魔 (蝶の夢)』 (1994 伊)


 はい、気を取り直しての、こっちはラディゲの『肉体の悪魔』であります。蛇足ですが、ラディゲの『肉体の悪魔』にはちょっとした思い入れがあって、それはそれでおいといて、だから、だからなんなんだよ(^_^ゞ
 ところがくぅ〜またやっちまったなりよ。原題『IL SOGNO DELLA FARFALLA』を訳したら『蝶の夢』とかになるらしい。なのに『肉体の悪魔』なんて邦題をつけんだよっ! 全く人騒がせな(-_-メ) 1986に同じベロッキオが『DIAVOLO IN CORPO』を撮っていて、こっちは確かに『肉体の悪魔』…らしい。というのは、ボクの不勉強を露呈してるわけです。ビデオ屋で借りるときに、なんで「新」などとついてるんだぁと、86年の『DIAVOLO IN CORPO』があるの知らんかってんもん。

 さてと、前置きはここまでにしといて、この『新 肉体の悪魔』がつまらんのかというと、さにあらず、ベロッキオって、なんでだかこれまで見てなかったんよね、これはイケテル。というても、ボクが「イケテル」というのはあてにしないこと(苦笑) なんでもベルトリッチと並んで「恐るべき子供」などと呼ばれたらしいが、ボクはこれ1本見るかぎりで、ベルトリッチより好きかも。ベルトリッチでいうと『暗殺の森』あたりのタッチで『ラストエンペラー』のラインじゃないから好きなのかも。

 前置きだけで終わりそ(^◇^;) 若い俳優のマッシモ(ティエリー・ブラン)は言葉を失っている。ところがそれは日常生活の上だけで、舞台の上ではちゃんと美しい声で発声ができる。周囲の人間、母(ビビ・アンデショーン)はそれをどうにかしようと試みるがマッシモを変えることはできない。彼にはオイディプス・コンプレックスが深く根づいてのことだったのだ。そのマッシモも彼女(シモーナ・カヴァッラリ)の前でだけはリラックスできるようだ。が、彼女の前でもいっさいのことばを排除してしまう。思うに俳優として他者となれるときだけが言葉を発することができる。そこのところは『人魚姫』がモチーフにもなってるようだ。まぁこれ以上書かない。だっていっぺん見ただけじゃわからんっ!つうの(-。-;) 結構、辛いです。
 火の使い方、そこでの色の出方、そしてそれにからまってくるの音楽が、スペインでもないな、かなりモンド系。音楽のカルロ・クリヴェッリはベロッキオとやってんだね。ちょっとベロッキオさがしてはまってみたくなるな。『サバス』はベアトリス・ダル出てるようだし。この『新 肉体の悪魔』は近いうちにもっぺん見よ。
 ラストは、ををーーっと、これはギリシャ悲劇だよな。
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 をぉ〜っと、ダルが出てる『サバス』は020321にもう見てたのだ。たかが半年前、つまらなかったのできっちり忘れてました(..;) そうそう、ダルに食われてしまったという感じだった。アレはもう見たくないな 2002/10/21

IL SOGNO DELLA FARFALLA
監督 マルコ・ベロッキオ
製作 ピエル・ジョルジオ・ベロッキオ
脚本 マッシモ・ファジオ
撮影 ヨルゴス・アルヴァニティス
音楽 カルロ・クリヴェッリ
出演 ティエリー・ブラン / ビビ・アンデショーン / シモーナ・カヴァッラリ / ナタリー・ブトゥフー 
★★★★☆



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2002年10月16日(水)
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