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 ▼ 石井克人『鮫肌男と桃尻女』(1998 日)



 がさがさと落ち着きのない映画とはこういうのでしょう。
 まるで漫画やんか、って、原作が望月峯太郎の漫画なんだからそれはそれでいいのか。でも『鮫肌男と桃尻女』どころか、望月峯太郎のほかのもまったく読んだことない。ボクのアンテナに引っ掛かってこないんだから、たぶんボクがあまり好きじゃない類の漫画なんでしょ。きっと面白いんだ(笑) 原作はおいといて映画だけにしぼってみると


 山田クン(我修院達也)がキーになってるのは確かね、だからって目立ちすぎよ。あんたが本線じゃないんだからね。彼を抜きにしたら成り立たないんだけれど、2つ3つまで許せても、ずばっと言うならば、くどいっ! そう思うのはボクだけか、少数派なんでしょうが、これでもか、これでもかの最近のコント漫才の乗りで好きになれない。いや、ホント面白いだよ。だけど哀しい。せっかくプレミア付きのブルーバードに乗せてもらってんだからさぁ、あ、山の中をガンガン走らせてもったいないなぁ、と思うことしきり。
 鶴見辰吾でもっと引っ張るのかと思ってたら、後半はすっかり山田クンのおかげで影が薄くなってしまって、ヤクザの舎弟がぽこぽことあちこちでそれはモグラ叩き状態で出ては引っ込んで、それも単発的に笑いとるだけなんだもんなぁ。
 一徳にしても琺瑯ネタをひっぱり過ぎ。彼のキャラとして琺瑯ネタは一発だけで十分。それも出してくるのならプレミア付きの浪花千栄子だろ、昆ちゃんでは安易すぎやしないか。一徳までコント漫才の乗りに巻き込んだら話が成り立たないでしょ。きわどいラインで踏みとどまってたから何とかなったって、何とかならへんかったら最後のシーンつくられへんっちゅうねん。
 そう考えると、浅野がいいねぇ。たんたんと浅野のペースで。最初にパンツいっちょで山の中を走って逃げたのは心配してやったよ。ちっこいすり傷だらけになったんだろうな。異様に目立ちすぎるということもなく、一番話に馴染んでたね。
 それでずこーんとバズーカー砲みたいな一撃がなくて、喩えればマシンガンでめったやたら撃ちまくるだけの戦争やってるみたい。演出そのものに小技ばっかり。小技が多くなればなるほど、またかいなと白けてしまう。センスないよ。
 気楽にぼーっと見てる分にはおもしろかったってところ。罪がなくていいです。

Freaks
製作 竹本克明 / 滝田和人 / 公野勉
監督・脚本 石井克人
原作 望月峯太郎
撮影 町田博
美術 丸尾知行
出演 浅野忠信 / 小日向しえ / 岸部一徳 / 寺島進 / 鶴見辰吾 / 我修院達也 / 島田洋八 / 真行寺君枝 / 津田寛治 / 森下能幸 / 堀部圭亮
★★★



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2002年09月17日(火)
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