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■ ▼ ジャン・ベッケル『エリザ』 (1995 仏)
セルジュ・ゲンズブールに捧げるとラストで出てくる。映画の中で何回も繰り返されるのはゲンズブールの「エリザ」へのオマージュ。母親(フローレンス・トマサン)は自殺してしまい孤児院で育ったマリーがバネッサ・パラディ。その母親の名前が「エリザ」。そして自殺の原因となった父親がジェラール・ドパルデューで、この父親、売れないミュージシャンで、唯一のヒット曲が「エリザ」。母親に捧げられた曲だったという設定。 前半後半ですきっと話が分けられる。一言で言うてしまえば、バネッサ・パラディを見せますよぉという映画なのね。だから当然バネッサばっかり。そして前半はソランジュ役のクロチルド・クローと、後半はドパルデューとのからみ。 前半のクロチルド・クロー、それに黒人少年アーメド(セクー・サル)を加えた3人のワルぶりはアクション映画というてもいいくらいでテンポがすごく軽快。そしてまだ見ぬというか、おぼろげな父親をたどる後半は「父をたずねて三千里」か(^_^ゞ 筋立てとして見終わってからたどってみると陳腐なんだよねぇ。 ところでこの映画の撮られたころというのは、バネッサをロリータ・アイドルとして売り出そうというわけだったんでしょ。いまの日本でいうと、井川遥ってところ。ところが、日本なんかで、こうして売り出そうという映画をつくると陳腐なまま終わってしまうのがオチなんだけど、前半で見せたキャピキャピのバネッサを、後半ドパルデューと組ませることでぐっと引っ張り込んでしまう。ほんとストーリー的にはクサイのにね、見せてくれます。もちハダカもさりげなくありのところが二重丸。井川遥だったら見せるぞ、見せるぞで結局なんも見せてくれないのと大違い。 ボクはバネッサのような小悪魔的な女ってすごく好きなんよね。いちおうね、現実に父親でありますから、父親のドバルデユーに感情移入して見てしまうわけです。こういう娘になら自分の生活、人生を破壊されたってかまわないなと
Elisa 製作 クリスチャン・フェシュネール 監督 ジャン・ベッケル 脚本 ジャン・ベッケル / ファブリス・カラゾ 撮影 エチエンヌ・ベッケル 音楽 ズビグニエフ・プレイスネル / セルジュ・ゲンズブール / ミシェル・コロンビエ 出演 バネッサ・パラディ / ジェラール・ドパルデュー / クロチルド・クロー / セクー・サル / フローレンス・トマサン
★★★★
2002年05月28日(火)
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