 |
 |
■■■
■■
■ ▼ アモス・コレック『ファストフード・ファストウーマン』 (2000 米・仏・伊・独)
 そんなんありかぁぁの連続。でもホッとさせられること100%保証。なんかね、いつもきっつぅーいのとか、作り過ぎたの見てて、こういう等身大の映画を見るとほんとにホッとするんだよ。 それでまたテーマの中心にすえた世代がいい。ディレクターの愛人を10年間していた35歳のベラ(アンナ・トムソン)と、嫁さんと2人の子どもを置いて逃げ出したはずなのに、その嫁さんが子どもを置いて逃げ出られたさえない作家志望のタクシー運転手ブルノ(ジェイミー・ハリス)、まずこれが1組。もう1組はベラが働くカフェの常連の老人3人組の一人ポール(ロバート・モディカ)と、彼が新聞の出会い系で知りあったエミリー(ルイーズ・ラッセー)の組み合わせ。いわゆる茶飲み友達求むです(笑) この2組4人がまずは100%ありえないだろう偶然によるすれ違いと出会い。100%ありえないだろう偶然なんていうと白けてしまうものだけれど、うんうん、と頷いてしまえるのが不思議。考えてみれば、現実の出会いとすれ違いなんてのも、何万、何億分の1の確率に支配されてんだもん。 ベラを中心に話は進むけれど、これがベラの働くカフェをキーにして、そこに集まる人の群像劇にもなってる。よくこの1時間半ちょいの中におさめきれるなと思えるくらい。のぞき部屋ストリッパーのワンダ(ヴァレリー・ゲフナー)と老人3人組の一人シーモア(ヴィクター・アーゴ)の話もなんかよかったな。ニューヨークののぞき部屋ってコインを入れたらその時間だけ小さなシャッターが開くようになってんだ_¢(0-0ヘ)メモメモ この二人の店外デートでのシーモアが「人生、退屈しないね」と言うのね。うん、うん。そんなふうにある程度年くったオトナのための寓話だね。 ところで、66歳なのに60歳と偽ってポールとつきあうエミリーのルイーズ・ラッセーは、どことなくジーナ・ローランズに似てるなぁと思ってたら、やっぱり、ポールとエミリーの組み合わせはカサベテスとローランズを頭において作ったのだという。そして、この監督のアモス・コレックもこのアンナ・トムソンでもうすでに何本か撮ってるらしい。自分たちをカサベテスに重ねてんだろうね、きっと。 メインはベラとブルノなんだけれど、やっぱり年老いたポールとエミリーの関係ぐさっとくるのはボクがエエ加減、年とってるからなんだろうな。あの二人に到達するにはまだまだ青いですが(苦笑) そしてこの二組ともにぶきっちょなのが泣けてくるって。やっぱり、ベラがブルノから去っていこうとするときに、エミリーが「追いかけなさい」って言ったときのブルノのセリフだよねぇ。自分で観て確かめてみて。
Fast Food Fast Women 監督 ・脚本 アモス・コレック 撮影 ジャン・マルク・ファブル 音楽 デビッド・カーボナーラ 出演 アンナ・トムソン / ジェイミー・ハリス / ルイーズ・ラッセー / オースティン・ペンドルトン / ロバート・モディカ / ロネット・マッキー / ヴィクター・アーゴ
★★★★☆
2002年05月10日(金)
|
|
 |